概要
2025年トランプ氏が2度目の米国大統領に就任し、矢継ぎ早に改革を断行した年でした。コロナ禍で混乱した世界情勢のもと、米国の経済もインフレに苦しみ、その後の高金利も相俟って、庶民の生活が苦しくなっていました。株価は3月以降ほぼ一本調子で上昇し、富裕層の資産が増えて消費を下支えしたので、思ったほどの大きな景気後退はおこりませんでしたが、中低所得層の生活は徐々に苦しくなっていました。 高止まりする不動産価格と住宅ローン金利によって、庶民は住宅購入を諦めざるを得ず、不動産売買件数が低迷、アメリカンドリームの一つである自宅購入が手の届かないところに行ってしまいました。いわゆる、所得、資産の二極分化がますます進みました。米国内では、所得格差だけでなく、州間格差が広がり、生活費や税金の高い州から低い州への人口移動が続いています。其のため、企業や人口が流失した州では失業者が増え、景気後退に陥り始めた州もあります。
トランプ政権の経済対策
トランプ政権は消費を支える中間層の復活を意図した、大規模な減税政策と経済の構造改革を進めました。前政権の大量の不法移民受け入れとお金のばら撒き政策により、高インフレと政府財政赤字が拡大した為、ドル、米国債が下落し、長期金利が上昇して、住宅ローン金利の高止まりが起こりました。それらを解消するためには、中低所得層の所得を上げて、国民の消費力を向上させることにより、経済を底上げすることが大事だとして、経済の構造改革を進めました。それは未だ途半ばですが、その対策の基本となるのが、庶民に対し賃金の高い職場をより多く提供するための国内の製造業の復活です。それが輸入品に対する関税率の引き上げです。できるだけ原材料や商品の輸入を減らして、国内調達に切り替え、国内で製造することに向けて走り出しました。不法移民対策にも力を入れました。これはかなりの成果を上げています。不法移民を大量に入れたため、住居確保や生活費の確保が州や国の財政を圧迫しただけでなく、ホームレスの居住場所が無くなり、街にホームレスが溢れることになりました。 また治安も悪化しました。しかし、現在は、厳しい不法移民対策のお陰で、自ら米国を出国する不法移民が増え、厳重な国境管理により、不法移民の流入も止まりました。 これらの対策で米国製造業の空洞化の反転や不法移民の流入による労働賃金の下落をすぐに食い止めることは簡単にはできないでしょうが、トランプ大統領は2026年も引き続きこの政策を進めてゆくでしょう。米国経済を下支えし、米国国債利払いを減らしたいトランプ政権はFRBに対して利下げを強力に要求しました。マスコミは、トランプ政権がFRBの独立性を損なうなどとピント外れなトランプ批判をしていますが、ほんとは米国経済がきわどい状態になっているので、早急な対応としての利下げを勧めているのです。
世界情勢の変化
世界情勢も引き続き混沌としています。トランプ大統領の就任後すぐに終わると思われたウクライナ戦争の継続、イスラエル・ハマス紛争、米中関税戦争など世界経済に影響を与える問題が継続中です。そのため、経済の先行き不安から、現物資産が買われ、ドルが売られ、米国債も売られ利回りが上昇し、国債の利回りに連動する長期金利が上昇した為、住宅ローン金利が高止まりしていました。しかし、今年秋には米国関税の影響が思ったほどひどいインフレをもたらさず、消費者物価指数も落ち着いてきたことにより、米国債利回りが徐々に下がり、住宅ローン金利もじりじりと下がり始めています。
AI関連企業が株価をけん引
今年はイスラエルとイランとの緊張関係で原油価格が一時急騰しましたが、全体としては需要の減少により下落しました。原油需要の減少は、経済活動の低迷から来るわけで、ヨーロッパ諸国、中国などの経済の減速がその原因です。しかし、米国のAI関連株価は4月に下落して以降上昇を続けており、最高値を更新しています。AI関連企業の相互取引による売上高上昇、データセンター向けの莫大な投資が株価を支えていますが、投資額を回収できる目途が立っていない為、株価の下落を予想するエコノミストや投資顧問会社も多数あります。ところが、米国の大手銀行はおおむね引き続きの株価上昇を予想しています。私は、株価の調整はあると思っていますが、長期的な目で見ると米国のAI投資が全世界のAI投資の80%を占めていることから、中国のDeepSeekなどAI企業が米国に太刀打ちできるとは思えません。結局、株価の調整はあるとしても、将来的には米国のAI産業が米国経済をけん引してゆくことになるだろうと考えています。
米国中間選挙
2026年は2年に一度の米国中間選挙の年になります。米国の雇用が弱く、富裕層が景気を下支えしている状況で、マスコミは関税などトランプ政権の経済政策の失敗がインフレ、物価高の原因だと盛んに言いつのり、中間選挙で民主党の勢力回復を目論んでいます。 もし、与党の共和党が上下両院で過半数を失えば、トランプ政権が進めてきた経済対策、移民対策、製造業の国内回帰、財政赤字対策などが思うように進まなくなる可能性が出てきます。その場合は景気後退入りの確率が上がり、回復までに時間が掛かるでしょう。
世界の保守化
2025年は世界の保守化が本格的に進んだ年だったと言えます。 米国ではトランプ政権の発足、ヨーロッパではドイツやフランス、オーストリア、オランダ、イタリア、ハンガリー、チェコ、スロバキアなどの保守勢力の拡大、日本では参政党の党勢拡大がありました。南米大陸でも、エクアドル、ペルー、チリ、ホンジュラス、ボリビアが2025年に保守政権が実権を握りました。世界は1992年のソ連崩壊後の、冷戦終結以後、左傾化が進み、グローバリズムに覆われましたが、2025年は保守への巻き戻しが本格化した年です。今後もこの流れが続くでしょう。念のため、保守と右翼は全く別物で、保守とは自国の家族、伝統文化を大事にしながら発展を求めてゆく考え方です。グローバリズムは家族、自国の伝統文化よりも経済合理性を優先し、世界を統一市場として経済発展させてゆく動きです。
2026年は丙午
丙午(ひのえ・うま)は勢いがある良い年とされています。
丙は大地から芽が出て葉が広がった状態という意味があり、太陽のように大きく広がる火、明るい、活発など強いエネルギーを象徴します。
午はスピード、行動力、社交性、勢いや力強さの意味があります。この丙と午が組み合わされた年ですから、とても活発な強いエネルギーを持った勢いがある年になると言われています。2026年はその流れが大きく勢いをもって動き出す年になりそうです。
読者の皆様にも丙午の勢いが届き、来年が良い年になることをお祈りをしながら、一年の締括りとさせていただきます。