【経済の動き】
AI予測と現場のリアルな乖離
AIに米国経済の行方を聞いてみました。その答えは以下になります。
2026年の米国経済は、個人消費の持ち直しやFRBの利下げ再開により、緩やかに回復に向かうと予測されています。実質GDP成長率は鈍化しつつも、底堅い成長を続ける見通しです。
どこかの新聞、雑誌に載っている情報を纏めて一番頻度が高い意見を持ってきたような感じです。
米国の場合、白人家庭、黒人家庭、ラテン系、アジア系、インド系、ヨーロッパ系など人種と共に、住んでいる地域、州、都市によって政治、経済の事情が違いますから、景気動向は一概には言えないのですが、例えば、治安悪化と企業の州外流出で沈みかけたサンフランシスコがAI長者が高級不動産、それも5億円から20億円レベルの物件をたくさん買い始め、活気が戻ってきたという事が起こったりしています。
しかし、AIバブルと言われるように急激に株価を上げてきた関連企業は企業間の受注、投資、債務を繰り返し、バブル崩壊の危機がささやかれ始めています。エヌビディアの株価は15%下落、高騰したのは例外的にグーグルは17%上昇しましたが、マイクロソフトは12%下落、Metaは16%下落オラクルが28%下落。最悪はソフトバンクの39%下落となりました。AIは関連株価の下落も大量の一時解雇(レイオフ)も、不動産市場の低迷も、7%を超える黒人の失業率にも言及していません。個人消費がどうして持ち直すのか、FRBの利下げの影響がどうなるのか、不動産、建築業界の持ち直しやAI関連株の下落は止まるのか、バブルは崩壊しないのかなどには答えてくれません。
やはり、自分で考えたほうがよさそうです。
ブラックフライデーとサイバーマンデーによる「消費の二極化」
調査会社ニューメレーター(Numerator Survey)が公表した調査結果では、11月27日のサンクスギビングデイから12月1日のサイバーマンデーまでの5日間で、半数以上の消費者が「オンラインのみ」、或いは「主にオンライン」で購入していました。
特に、どこで購入したかの調査結果(利用率)には大きな差が出ています。
- アマゾン・ドットコム:87%
- ウォルマート:65%
- ターゲット:42%(3位)
- ベスト・バイ:13%
一方で、中国系の格安通販サイトは苦戦しました。
- Temu:10%
- TikTok Shop:8%
- Shein:8%
海外からの少額輸入関税免除措置が打ち切られたことにより、海外からの輸入量自体も減少していることが影響しているようです。
相変わらず富裕層の消費は底堅いのですが、中低所得層は先行きを見て消費に慎重になっています。ホリデーシーズン全体の消費は苦戦が予想されています。
小規模事業者の破産申告が過去最多
6年前から米国で導入された、小規模事業者が債務を削減し、再出発を図るために設けられた連邦プログラム(サブチャプターV)の申請件数が過去最多になっています。これは中小企業向けの企業再生法ですが、高金利による高い借り入れコストや低中所得層の慎重な消費行動、関税による収益悪化などが影響しているようです。
サブチャプターVの申請件数増加は、中小企業の業績が悪化していることを物語っています。実際ISM製造業景況指数は11月、4か月振りに大幅縮小、製造業が長引く低迷からの脱却に苦戦していることが示唆されています。このような需要の弱さを背景に雇用の減少を報告した企業は全体の約25%に上り、2020年半ば以来最大になっています。特に衣料品、木製品、紙製品、繊維など11業種が活動縮小しています。
世界の財貿易もWTO(世界貿易機関)によると貿易量が7-9月に減速し始めていることを報告しています。これまでは、関税上昇前の駆け込み需要が貿易量を下支えしていましたが、駆け込みが終わり、今後は安定してゆくとの予想です。航空貨物やコンテナ輸送量は安定していますが、サプライチェーンの変更で輸送経路のシフトが見られます。10月の中国から米国への輸出額は対前年比で25.2%のマイナス。9月は27%のマイナスでした。それを補うように、中国からベトナムなど、アセアン諸国向けの出荷が増加しています。
【不動産・住宅ローン金利動向】
2026年の米国不動産市場はどうなるか?
住宅価格が下落するか、しないかで意見が分かれています。
住宅価格が下落しないと予想する理由:未だに住宅市場に供給されている物件数はコロナ前と比べて少なく、低金利で物件を購入している人達は「売りに出さない」か「売りに出しても希望の値段で売れない場合は売り出しを止める」傾向が全米でみられます。 住宅購入希望者は未だに多く、また米国経済は底堅いので、金利さえもう少し下がれば、2026年には物件の売買件数が上昇すると考えています。
未だに住宅市場に供給されている物件数はコロナ前と比べて少なく、低金利で物件を購入している人達は「売りに出さない」か「売りに出しても希望の値段で売れない場合は売り出しを止める」傾向が全米でみられます。 住宅購入希望者は未だに多く、また米国経済は底堅いので、金利さえもう少し下がれば、2026年には物件の売買件数が上昇すると考えています。
一方で、住宅価格が下がると考えている人は、金利上昇局面で物件売買をリードしてきたのは投資家であり、その「投資採算の悪化」をあげています。
・家賃が下落傾向にある(上昇している地域もあるが全般的ではない)
・保険代、固定資産税、修理代などの費用が上昇し、利益を圧迫している
・少ない頭金で購入した個人投資家は、キャッシュフローがマイナスになり持ちこたえられない
さらに、このところの労働市場の軟化でレイオフが増え、労働時間が少なくなっている現状から、物件を手放す投資家が増える可能性が高まっています。大手投資家も、投資効率の悪い物件を売却し、他の投資へ切り替える動きが活発になると予想されます。
特に、新築物件が供給過剰気味の南部・西部地域は、物件価格の下落圧力が高まる可能性が出てくると考えられています。
全米の地域差はあるものの、雇用市場の軟化やクレジットカードや自動車ローンの未払い増加を考えると、悲観的な予想が上回っていると思います。
これから不動産物件の購入を考える時は、少ない投資金額で物件を購入する投資効率も大事ですが、以下の点に注意が必要です。
米国主要都市の住宅価格「値下げ率」ランキング(2025年10月)
上記の考察の上で、Zillow.com が発表した10月の物件値下げの現状を見てみましょう。売主が値下げをして物件を売却した率と平均値下げ額が以下になります。(全米平均は26.9%)
| 都市名 | 値下げ率 | 平均値下げ額 |
| サンノゼ | 26.9% | $70,900 |
| ロサンゼルス | 23.9% | $61,000 |
| サンフランシスコ | 30.0% | $59,001 |
| サンディエゴ | 26.9% | $50,000 |
| ニューヨーク | 16.7% | $50,000 |
| ボストン | 26.9% | $49,900 |
| マイアミ | 21.5% | $30,100 |
| ワシントンD.C. | 29.0% | $25,100 |
| ダラス | 33.8% | $25,000 |
| アトランタ | 31.5% | $25,000 |
| ヒューストン | 28.9% | $24,900 |
| フィラデルフィア | 27.1% | $21,000 |
| シカゴ | 30.3% | $20,000 |
平均物件価格が高い都市ほど、実際の「値引き額」が大きくなっていることが分かります。
(出典:Zillow.com)
小規模個人投資家による購入が堅調|狙い目は「安さ」より「成長」購入が堅調
市場の主役は大手から個人へ
Realtor.comによると、第2四半期に売却された住宅全体の約11%を投資家が購入しています。特筆すべきは、小規模投資家による購入が約63%を占め、約20年ぶりの高水準となったことです。 逆に、法人を含む大手の投資家による購入は減少しており、市場のプレイヤーが入れ替わっています。
「価格の安さ」に潜むリスク
現在、投資割合が高いのはミズーリ州(18.9%)やミシシッピ州(17.1%)などの州です。 都市別に見ても、メンフィス(テネシー州)、セントルイス(ミズーリ州)、オクラホマシティ(オクラホマ州)といった、概して住宅価格の低いエリアが上位を占めています。
「物件価格が手頃で、賃貸需要が安定している」ことが人気の理由ですが、これには大きな落とし穴があります。
もし今後、景気後退に陥った場合、「物件価格が低い=平均所得が低い地域」であるため、経済的打撃を真っ先に受ける危険性が高いのです。安易な利回り狙いは、将来的に自分の首を絞めることになりかねません。
正解は「人口増加都市」への投資
リスクを避けるためにリスクを避けるために検討すべきは、「人口が増加している都市」「これから人口増加が見込める都市」です。仕事が見つけやすく、賃貸需要が将来にわたって安定するからです。
2025年に人口増加が予想される有望な都市は以下の通りです。
- 成長著しい都市: マートルビーチ(SC州)、ポート・セントルーシー、オーランド(FL州)など
- 大都市圏: ヒューストン、ダラス(TX州)、アトランタ(GA州)、シャーロット(NC州)、ニューヨーク(NY州)
(出典:Markerr)
住宅ローン金利の動向|年末年始のシナリオ
このところのローン金利動向は若干の上昇、下落を伴いながら、全体としてはやや下落となっています。12月を迎えて、季節的にはドル安が進む傾向があるのですが、今年は幾つかの要因が重なる可能性があり、年末から年明けにかけてドル安が進む可能性が上がっているようです。その理由としては、下記が考えられます。
- 関税の行方: 米最高裁が関税を違法と判断した場合、不透明感からドル安に動く可能性があります。
- FRB次期議長人事: ハセットNEC委員長(トランプ大統領に近い人物)が指名された場合、積極的な利下げ観測から「インフレ懸念」が再燃し、結果としてドル安・長期金利上昇(ローン金利上昇)を招く恐れがあります。
- 日銀の利上げ: 12月の利上げが実施されれば、円の急伸(ドル安)が予想されます。
恐らく、日銀の利上げはほぼ確実で、12月のFRBの利下げもほぼ確実ですから、少なくともドル安、円高へ振れる可能性は高いでしょう。しかし、また、関税を巡る訴訟や、ウクライナ紛争の行方次第では、米国債利回りの下落もあり得ますので、12月のローン金利予想は難しい局面です。
プロの注目ポイント|10年国債よりも「5年国債」を見よ
一般的に住宅ローン金利は「米10年国債(長期金利)」に連動すると言われていますが、現場の感覚では少し違います。 住宅ローン金利とさらにシンクロした動きをしているのが、「米5年国債」の利回りです。
- 5年国債の利回りが下がった翌日 → ローン金利が下がる
- 5年国債の利回りが上がった翌日 → ローン金利が上がる
あくまで経験則ですが、住宅ローン金利の先行指標として、かなり確度の高い動きをしています。「これからの金利はどうなる?」と気になったら、10年物だけでなく5年物の動きをチェックすることをお勧めします。
【国際ニュース】
トランプ大統領は習近平の味方?
11月27日ウォールストリート・ジャーナルは、台湾有事に関する高市総理の発言に関して、中国の習近平国家主席がトランプ大統領との会談で怒りをあらわにし、トランプ大統領も習近平氏の発言に耳を傾けたという記事が出ました。この記事を読みましたが、まず、WSJ独自の取材という形をとり、事情に詳しい複数の関係者によればや、政府関係者によればと云々とあいまいな表現が多く、電話会談の内容を直接聞いていないにも拘らず、いかにもトランプ大統領が習近平氏の側に立って、高市総理へ台湾に関する発言のトーンを和らげるように提案したと、これもまた事情に詳しい米国の関係者は述べたと断定しています。
しかし、官房長官は、トランプ大統領が高石総理に対して、台湾の主権問題で中国政府を刺激しないよう助言したとの報道はなかったと、きっぱりと否定しています。改めて、ウォールストリート・ジャーナルに抗議したと発表しました。これはウォールストリート・ジャーナルの印象操作のようです。高市総理が余計なことを言って、トランプ大統領と習近平の関係を壊すようなことをしている。高市を黙らせることが、良好な米中関係を維持し、ひいては世界平和のためになる。と習近平がマウントを取ってトランプ大統領がそれに従っているような印象操作をしている様に読めます。もともとウォールストリート・ジャーナルは反トランプで、グローバリスト的な立ち位置のマスコミですので、記事を鵜吞みにしてはいけないよという事が分かる好例ですね。事情に詳しい関係者によるとや、政府関係者によるとが出てくると、眉に唾つけてよくよく確認したほうがよさそうです。
【今日の豆知識】
アメリカで最も楽しい都市トップ5
- ラスベガス(ネバダ州)
- オーランド(フロリダ州)
- マイアミ(フロリダ州)
- アトランタ(ジョージア州)
- ニューオーリンズ(ルイジアナ州)
(出典:WalletHub)
上記のランキングはスポーツ観戦施設、劇場、ゲームセンター、屋内外のアクティビティやレストランの多さなどを総合的に評価してランク付けされたものです。
【米国住宅ローン金利 (横這い)】
米国在住者用の住宅ローン金利表
Rates are current as of: 12/02/2025
Loan amount subject to county limits.
外国人用ローン金利
※ 2025年12月2日現在の金利
| 頭金 | 金利 |
|---|
| 50%以上 | 6.250% |
| 45% | 6.375% |
| 40% | 6.500% |
| 35% | 6.625% |
| 30% | 7.125% |
【ローン条件】
- 3年の Prepayment Penalty
- 固定資産税・火災保険はローンと一緒に支払う
- 30年固定型・5年固定型・7年固定型の3つから選択(金利は同じ)
- 投資物件用のプログラム(DSCR)
Remark:このプログラムは米国在住者も使えます。