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    GDPの数値だけでは測れない国の本当の実力・米国景気の行方を占う雇用統計

    2025年08月4日

    【経済の動き】米GDPが3%増

    7月30日に発表された米国の4-6月期GDPは3%増となりました。
    1-3月期には輸入関税引き上げ前の「駆け込み輸入」が増加しましたが、4-6月期には一転して大きく減少。そのため、統計上は輸入減=支出減となり、純輸出が増加したことでGDPが押し上げられました。

    この現象は昨年の日本でも見られました。一見するとGDPが増えて景気が良くなったように見えますが、実際には「支出の減少」が要因でした。今回の統計でも、純輸出は前期比で5ポイント上昇した一方、個人消費は1.4%増とコロナ禍以来の低水準。設備投資も鈍化し、住宅投資は年率4.6%減と2022年以来の大きな落ち込みとなっています。

    個人消費減少

    米国経済に影響が大きい対日本、EUとの関税交渉の合意で、今後の米国経済への期待感が上昇したため、為替相場はドルが全面高となりました。7月29日現在、1ドル148円半ばで推移しています。
    混迷する日本の政局が影響しているのでしょうか、日本株は下落し、さらに円安に動きそうです。

    米国の求人件数が3か月ぶりに減少

    個人消費の伸びは低く、物価上昇を加味すると実質的にはマイナスとなっています。意外なことに、高所得者層でもクレジットカード債務の延滞が増えています。

    信用スコア会社「アバンテージスコア」によると、年収15万ドル(約2,200万円)以上の層で債務延滞率が過去2年で約20%上昇。中・低所得層よりも早いペースで悪化しており、消費低迷の一因になっています。

    米雇用悪化が鮮明

    8月1日発表の雇用統計では、エコノミスト予想が10万4,000人増だったのに対し、実際は7万3,000人増にとどまりました。さらに前月・前々月分も合わせて26万人の下方修正。労働市場の減速がはっきりしました。

    FRBのパウエル議長は「雇用は堅調」として利下げを見送ってきましたが、現実のデータはこれと逆行。不動産市場の低迷、ホテル・航空運賃の下落、ISM製造業景況指数の低下と合わせても、雇用堅調論には無理がある状況です。

    米国債は大幅上昇

    今回の雇用統計は市場に大きなサプライズを与え、米国債が急騰しました。
    「景気後退懸念 → 株売り → 安全資産の国債買い → 国債利回り急低下」という流れです。

    結果、ドル円は147円から146円台へ円高が進行。9月のFRB利下げ観測は一気に90%に高まりました。先週の求人件数減少とも整合的で、雇用の軟化が現実味を帯びています。

    【不動産・住宅ローン金利動向】 不動産市場は販売低迷

    ケース・シラー住宅価格指数やZillowのデータでも、市場の軟化が見られます。消費低迷と雇用悪化に加え、最大の要因は「高止まりする住宅ローン金利」です。

    これまで高値で売れていた物件が動かなくなり、一部の売主は市場から撤退。在庫の増加は止まっても、買い手が増えないため、売買件数は減少し価格もじわじわ下がる局面に入っています。

    6月の新築一戸建て支出は1.8%減。新築在庫の積み上がりで建築意欲が落ち、建築業者も利益減少から投資に慎重になっています。

    FRBは利下げへ?

    FRBの利下げは短期金利を対象とする政策ですが、その影響は長期金利(住宅ローン金利)にも及びます。FRBの使命は「物価安定」と「雇用の最大化」。雇用が悪化すれば利下げが必要ですが、景気減速を確認してからでは効果が薄れます。

    いまが最後のタイミングとみる声が政権内や多くのエコノミストから出ており、9月の利下げ可能性は非常に高まっています。

     

    住宅ローン金利予想

    雇用統計を受けて米国債利回りは大きく低下しましたが、住宅ローン金利は小幅な下落にとどまっています。

    Fannie Mae(米連邦住宅抵当公庫)は次のように予測しています:

    • 2025年末:30年固定ローン金利 6.4%
    • 2026年末:6.0%

    私はさらに景気後退要因が加わることで、予測よりも低下する可能性が高いと見ています。

    米国で人口と収入が減少している州トップ10

    (出典:Newsmax, Redfin.com

    人口流出の理由は「税金の高さ」「生活費・住居費の高さ」「犯罪率の高さ」などですが、もう一つ大きいのが政治的要因です。

    民主党(Blue State)主導の州では移民受け入れや増税、リベラル教育政策が進められ、それに不満を持つ人々が共和党(Red State)へ移動。リモートワークの普及もこの動きを加速させました。

    トップ10は以下の州です:

    1. California
    2. New York
    3. Illinois
    4. New Jersey
    5. Massachusetts
    6. Pennsylvania
    7. Michigan
    8. Maryland
    9. Minnesota
    10. Oregon

    【国際ニュース】 デミニミスとは?

    トランプ大統領が7月4日に成立させた減税法案には「デミニミス(de-minimis)ルール廃止」が含まれています。

    従来は輸入額800ドル以下なら関税免除・簡易通関でしたが、この制度が悪用され、フェンタニルなど違法品の輸入や、中国のTemu・Sheinが関税逃れで価格競争力を得ていました。

    廃止により、今後は80~200ドルの特定関税が課されます。2024年にはデミニミスを利用した小口輸入が13億6,000万件にのぼっており、影響は極めて大きいといえます。

    米国不動産豆知識 ケース・シラー住宅価格指数とは?

    正式名称は 「S&P/ケース・シラー住宅価格指数」

    • 全米の住宅価格指数
    • 主要10都市圏の「10大都市圏住宅価格指数」
    • さらに10都市を加えた「20大都市圏住宅価格指数」

    特に「20大都市圏指数」がよく使われ、米国の住宅市場や景気動向を読むうえで重要な指標です。

    予想より高ければドル買い材料、低ければドル売り材料と解釈され、市場に大きな影響を与えます。

    (出典:Investing.com