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    米国経済の隠れた問題

    2025年10月1日

    【経済の動き】 米総合PMI(購買担当者指数)

    9月の企業活動を示す指数は前月から低下し、3か月ぶりの低水準となりました。企業は需要の落ち込みを避けるため、関税分の費用増加を吸収していることが統計に表れています。仕入れ価格指数は4か月ぶりに上昇しましたが、販売価格指数も同じく4か月ぶりに低下しました。販売価格を引き上げて顧客に転嫁できる企業は少なく、利益率が低下していく方向にあります。これはインフレを抑える効果がありますが、一方で企業収益を減少させ、新規雇用を抑制したり、レイオフが進むことを示唆しています。

    支出が予想を上回る伸び

    9月26日に発表された米PCE(個人消費支出統計)では、支出が予想を上回る伸びを示し、インフレ下でも消費が堅調であることが分かりました。この統計からは、インフレが終息したとは言えませんが、消費は減少していません。総合PMIとは矛盾する結果となっています。企業は先行き需要の弱さを見越して仕入れやコスト転嫁に慎重です。通常、インフレ高止まりの発表があると米国債の利回りは上昇します。しかし、今回の統計発表後は利回りの上昇は限定的でした。PCEの内容から、消費支出は増えているものの、賃金・給与は鈍化、貯蓄率も今年に入ってから最低水準、家計の債務状況も悪化していることが分かります。娯楽用品や自動車、大型家電などの価格が下落していることも、消費拡大の一因と考えられます。GDPを見ても、インフレによる価格上昇が消費額の増加につながっていることは明らかですが、FRBや市場が懸念したほどインフレは進んでいないため、国債利回りの上昇も限定的でした。

    米経済の二極分化

    高所得者層にとって、米国経済は底堅く、株高や預金金利の恩恵を受けています。また、自宅を所有している人たちは、住宅の市場価値上昇により総資産が大きく増加しています。住宅ローンがあっても低金利固定の場合が多く、支払額も少ないため、安心して消費できます。一方、株を持たず預金も少ない中低所得層は、インフレによる家賃や生活必需品の値上がりに苦しみ、実際にはレイオフがなくても正規雇用からパートタイムに変わったり労働時間が減少したりして、可処分所得が減り、消費を切り詰めています。8月の失業率は4.3%でしたが、新卒者の失業率は6.5%と平均を上回り、さらに黒人の失業率は昨年の6.1%から7.5%へ急上昇しています。高額所得者や資産リッチ層が消費を支える一方、中低所得層は住宅購入が夢となり、消費を節約する状況です。雇用悪化が進めば、株価下落に伴い富裕層の消費も減少し、景気が一気に後退するリスクもあります。

    ドル円の行方

    国債利回りが上がるとドル指数が上昇する傾向がありますが、今回は下落し、ドル安方向に進みました。円も若干戻しましたが、依然として円安傾向です。日銀が政策金利を上げる方向で考えているものの、未だ利上げに踏み切っていないため円安が続いています。この円安は日本株価を押し上げる一因となっています。しかし、10月には日銀の利上げの可能性があり、FRBの利下げが予想されているため、円売りから円買いへのシフトが起こる可能性が高く、短期的には円高に振れる可能性があります。その場合、日本株価も下落する可能性があります。現在のドル円はドル安・円安の状態です。円が安い理由は明確で、日本の政策金利は0.5%でインフレ率は約3%、実質金利は0.5%-3.0%=-2.5%となります。つまり、円を持つと2.5%目減りするため、円安は当然です。日銀が利上げをすれば、消費税を下げるなどのバランス調整が必要で、日本経済の安定には時間がかかります。一方、米国では、インフレ率が上昇すると政策金利が据え置きの場合、実質金利は下がり、ドル安傾向が強まります。米国企業の利益や税収が増えることにより、景気上昇のきっかけとなるでしょう。。

    【不動産・住宅ローン金利動向】 

    Realtor.comの予想では、今後の住宅ローン金利の下落は大きくなく、ファニー・メイは2026年末には5.9%程度になると予想しています。現在ローンを持つ人の平均金利は4.3%で、インフレや所得上昇があっても、高金利での住宅買い替えのモチベーションは低い状況です。したがって、金利が6%を切るレベルでも売り物件の供給は大幅に増えず、住宅価格も大きく下がらず、売買件数は低迷すると考えられます。この状況が続けば、住宅市場の低迷が景気全体を押し下げ、逆に金利下落を後押しすることになるでしょう。

    米新築販売件数増加

    8月の米新築販売件数は予想外に急増しました。ローン金利の低下とインセンティブ(値引きやグレードアップ)が販売を加速させました。しかし、高額物件の販売が増える一方で、低価格帯の取引は減少しており、所得の二極化が見られます。関税による輸入品価格上昇を企業が吸収してきましたが、今後コスト増が続けば、値上げより労働時間削減やレイオフを進める可能性があります。これにより購買力が低下し、景気後退のリスクが高まります。FRBはインフレを警戒して利下げを積極的に進めていません。中低所得者は手取り減少で既に消費を控えており、新築・中古ともに住宅販売件数はさらに下がる可能性があります。新規住宅着工件数の減少もその傾向を裏付けています。

    住宅ローン金利

    ローン金利は先週から若干上昇しました。タイプ別ではJumboローンが最も低くなっています。
    Jumboローンとは、ローン金額が$1,209,750以上の大口ローンで、大手金融機関や投資銀行が提供するもので、政府系ローン(ファニー・メイ、フレディー・マック)とは異なります。審査基準は厳しいものの金利は低めです。コロナ以前は政府系よりも高めに推移していました。ニッチマーケット向けの特別プログラムも提供されています。今週の最も低い金利は30年固定で6.125%でした。

    【国際ニュース】トランプ大統領の英国訪問

    9月16日から18日、トランプ大統領が英国を訪問し、国賓として歓迎されました。しかし、チャールズ国王の晩餐会でのスピーチは、ウクライナ戦争と環境保護に触れました。歴史的に国王は国賓との晩餐会で政治問題に触れないのが通例ですが、今回は慣例を破り、ウクライナ戦争推進とCO2排出削減を訴えました。これはトランプ大統領の政策とは正反対です。

    ウクライナ戦争の背景

    国王の発言の背景の一つに、9月13日、トランプ大統領がSNSでNATO加盟国に宛てた書簡があります。内容は、ウクライナ戦争を終結させる意思のない国々に対し、必要であれば米国は経済制裁を実施する準備がある、というものでした。NATO諸国、特に英国・フランス・ドイツはロシアからの天然ガス・石油輸入を止められず、トランプ大統領は米国を戦争に巻き込もうとする国への支援を行わない姿勢を示しています。この3国も経済的に行き詰まりつつあり、トランプ大統領は敢えてプレッシャーをかけています。プーチン大統領との8月の会談ではウクライナ戦争後の話し合いがあったことも確認されています。戦争を継続したいのはロシアではなく、英国・フランス・ドイツ中心であることが明らかです。

    米国不動産豆知識 急成長している12の米国の街

    米国人を惹きつける州所得税がない州は以下の通りです。
    アラスカ州、フロリダ州、ネバダ州、サウスダコタ州、テネシー州、テキサス州、ワシントン州、ワイオミング州

    出典:JETRO