なぜ今、米国から日本へ移住するのか？海外在住者が見た日本の本当の魅力

近年、米国から日本への移住を希望する人が増えています。その背景には、円安といった経済的な理由だけではない、日本の生活文化に根差した深い魅力があります。海外での暮らしを経験したからこそわかる、日本の本当の価値とは何でしょうか。

海外在住だからこそわかる日本の魅力：治安、清潔さ、そして暮らしやすさ

一般の米国人にとって、日本のイメージは侍とアニメの国だったのではないでしょうか？　しかし、近年日本経済の停滞によるデフレと円安が重なり、世界中から割安な日本への旅行がブームになってきました。実際に日本に来て各地を旅行し、滞在中に日本文化に触れた人たちの多くが、その生活様式に感銘を受けています。その人たちの中には再び日本に旅行に来たい、いつかは移り住みたいと考える人もいます。

これまで、日本と言えばアジアの小さな島国でありながら、経済大国でもあり、西側先進国でG7のメンバーという事ぐらいは知られていましたが、恐らくその文化の奥深さや生活様式についての認識はあまり理解されていなかったのではないでしょうか。ところが、一度日本に来てその文化に触れてみると、多くの人は、西欧諸国とは全く違う文化がそこにあることにショックを受けます。町の静かさ、整然としてクリーンな街並み、マナーの悪い人が少なく、スリや強盗に襲われることを心配しないでも夜の街を歩くことができる。子供が一人で電車に乗っていつでもどこでも移動できるなど。世界では例を見ません。

少し都会を離れると、美しい自然に囲まれたきれいな山、川が広がっています。旅行に行きたければ安価に早くどこにでも行けます。一度この生活を手に入れてしまうと、離れがたくなるのが日本です。それは日本に生まれて海外で生活したことがない日本人にはわからない快適さなのです。最近、長く米国に住んでいたけれど、最後は日本でリタイアしたいと思う人達の帰国が増えています。リタイアした後は生活費が安く、安全で静かな日本に戻りたいと思うのは自然なことでしょう。

日本文化の奥深さ：「和」の心が育んだ、多様性を受け入れる社会

日本文化の一つの特徴は、他人の迷惑にならないようにと心がけ、みんなで一緒に生きてゆこうとする心ですね。それは、日本文化の重層性から来ています。縄文、弥生の昔から、日本は温暖で食料、水が豊富だったので、世界中から人が集まってきました。そのため、いろんな文化が入ってきました。日本人はそれを排除しないで、日本になじむ形にして受け入れてきました。何千年もの間に積み重なって一つの文化を作ってきました。そのミルフィーユ的な文化が曰く言い難い魅力を持った日本文化になってきたのでしょう。よその国から多くの人たちを受け入れて、その人たちと仲良く一緒に暮らしてきたためなのか、日本人は争いよりも折り合いをつけて生きてゆくことを大事にします。それが、たとえ外国から来た人でも安全で快適な生活ができる元になっているのでしょう。そんな国は世界中どこを探しても見つからないかもしれませんね。