ホルムズ海峡の逆封鎖

2026年04月14日
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【経済の動き】

原油価格下落

米国のホルムズ海峡逆封鎖のニュースが出て一気に原油価格が上がるかと思いきや、米国とイランの停戦協議再開近し、のニュースが飛び込んできたため、原油価格が下がっています。米国が封鎖しようとしている範囲はイランの全海岸線で、またイランへ出入りする全船舶に適用されるとのことです。ただし、米軍は中立国の船舶がホルムズ海峡を通過してイラン以外の目的地へ向かう場合には影響を受けないことを強調しています。
勿論、人道支援物資の輸送については通過を認める方針です。米国は国際航路を封鎖するのではなく、イランの船舶による輸出入を止めることを目指すと説明しています。

米国は、まるで、豊臣秀吉の備中高松城の水攻めのような奇策を繰り出してきました。確かにこの作戦はイランのインフラを壊すことなく、資金源を断つことが出来る豊臣秀吉が得意とした城攻めに似ています。敵を殲滅させるのではなく逆に生かしながら、自軍の被害も最小限にする賢い方法です。最初からそうしておけばよかったのにと思わないでもありません。

原油価格とドル

米国とイランの停戦協議再開が見えてきたことや、原油需要の減退をIAEA(国際エネルギー機関)が予想していることから、今日は原油価格が下落し続けています。原油価格の下落はインフレ懸念を緩和させる為、株価を上昇させ、米国債の利回りの下落の要因となります。米国経済にとっては好ましいことなので、米ドルの上昇につながりそうなものですが、ドルインデックスは若干の上昇にとどまっています。何故なら、原油取引にはドルが使われますが、原油の価格が下がり、原油需要も低下するとの見通しが出たために、ドル需要が大きくならないと市場が見ているからです。逆に、原油価格が上昇している時は、ドルインデックスが上昇しドル高が高進します。このことから、我々が考えているよりも、米国にとってドルによる原油取引がいかに大事か、米国経済と密接に繋がっているかが分かります。

米国個人消費支出と消費者物価指数

2月の米実質個人消費支出(PCE=Personal Consumption Expenditure)はインフレ調整後の実質で前月比0.1%の増加、前年同月比では3%の上昇となりました。消費が大きく伸びていないのは、消費者が今後も物価高が続くと予想して消費を抑えていることが考えられます。経済分析局(BEA=Bureau of Economic Analysis)によると、実質可処分所得は0.5%減となり、ほぼ1年ぶりの大幅減となりました。
個人消費の伸びが低下していることからGDPも減速しています。10日に発表された米国の消費者物価指数(CPI=Consumer Price Index)は前年比3.3%上昇、前月比0.9%上昇といずれも加速しています。物価の上昇が消費を減らし、GDPの減少に繋がっています。
食料とエネルギーを除くコアCPIは前年比2.6%上昇、と前月比は0.2%上昇とほぼ横ばいとなっています。この統計結果から原油価格の上昇が徐々に消費者物価を押し上げ、物価高、消費低迷につながると考えられます。

【不動産・住宅ローン金利動向】

カリフォルニアの不動産市場と価格

これまで、何度もカリフォルニアからの人口流出についてお伝えしてきました。高い生活費、高い税金、高い家賃、不動産価格の為に、生活費の低い他州に人口が流出しているのは事実です。しかし、カリフォルニアの住宅に関する最新の統計データ(セントルイス連銀)を見てみると、2025年末時点で、カリフォルニア州の賃貸住宅の空室率は4.8%、持ち家の空室率(空き家)は1.1%です。米国全体の平均空室率は7.2%、持ち家の空室率は1.2%でした。これを見るとカリフォルニアの空室率は全米平均と比べるとかなり良好な水準にあります。カリフォルニアの人口が大きい為、転出者や帰国した不法移民の実数は大きいのですが、逆にこれ以上の人口増加は別の問題を引き起こすとも考えられます。

カリフォルニアの住宅費が高い理由

上記の統計データによると、カリフォルニア州で暮らすには、住宅費が他の地域より毎月600ドルから700ドルも余計にかかるそうです。それでも大多数の人はカリフォルニアに住み続けます。その大きな理由の一つは家の資産価値の上昇です。カリフォルニアの家の資産価値の上昇率は他州を凌駕しています。資産価値を増やすためにはカリフォルニアに家を持つことです。そのためには毎月700ドル余分に払う事になりますが、それは積立預金をしているのと同じだと考えてもいいのではないでしょうか。もう一つ、カリフォルニアの住宅価格がどうしてこれほど高いのかを端的に言うと、天候の良さに対して高い住居費を支払っているのです。晴天の日数が南カリフォルニアよりも多いところはありますが、気温、湿気、心地よい海風などを総合的に考えると南カリフォルニア以上に快適な環境は米国内にはありません。自然災害も少なく、大自然も気持ちのいい海岸もすぐそばにあります。カリフォルニアから出て行った人たちが後で後悔する理由は正にこれなのです。

手頃な価格の物件掲載数が最も増加した住宅市場トップ10

全米各地の住宅価格は、毎年、あるいは毎月のように変動しています。ここでは、過去1年間で手頃な価格の住宅物件の掲載数が最も大きく増加した都市をご紹介します。言い換えれば、住宅価格が値下がりし、買いやすさが増してきた都市のリストです。

都市名手頃な価格の物件の割合前年比の増減
フェニックス(AZ)33.01%+12.21%
オースティン(TX)30.38%+11.42%
ソルトレイクシティ(UT)29.79%+11.22%
サンアントニオ(TX)47.37%+10.70%
ダラス(TX)38.23%+10.06%
ワシントンD.C.49.19%+9.14%
デンバー(CO)33.18%+9.07%
ヒューストン(TX)40.17%+9.01%
メンフィス(TN)46.45%+8.94%
ミネアポリス(MN)53.73%+8.61%

(出典:Zillow.com

サンベルトとラストベルト

サンベルトとは米国南部や南西部の温暖で日照時間が長い南カリフォルニア、テキサス、フロリダ州などのエリアの総称です。これまで人気の高かったこの地域の不動産価格は現在低迷し、一戸建て住宅の平均価格が2026年初頭の水準を1%下回り、2027年と2028年にはそれぞれ2%下落するとアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の住宅センターが発表しています。現在消費者物価指数は年率平均3%ぐらいですから、住宅価格が昨年と同じであれば、3%資産価値が減っていることになります。ましてや、AEIのデータを採用すると、2028年までに5%価格が下がり、毎年3%のインフレが続けば、2028年には今より14%資産価値が下落している事になります。しかし、これは驚くべきことではなく、コロナ期の2022年初頭には住宅価格は約18%上昇するなど、パンデミック前の水準と比べて平均50%前後上昇し、テキサス州オースティンはなんと約100%の値上がりでした。そう考えると今住宅価格が下がっているといえども、未だに資産価値は大きく増えています。一方、中西部から五大湖とその周辺、北東部にかけて、かつて重工業で栄えた工業地帯ではパンデミック期にサンベルトほどの急激な住宅価格の値上がりはなく、ミネアポリス、クリーブランド、ルイビル、セントルイス、カンザスシティなどのラストベルトの中心都市では25%から33%の値上がりに留まっていました。しかし、現在これらの地域ではルイビルが3.4%、グランドラピッズが5.1%、ミルウォーキーが5.6%の上昇を記録しています。シカゴやフィラデルフィア(いずれも+4%)の市場でも価格は上昇しています。

米国不動産価格の動向

米国全体を俯瞰すると、現状は、パンデミックで価格が上昇しすぎた地域の物件価格が下がり、あまり上昇しなかった地域の物件価格が上昇しています。この価格の変動が収まり、世帯所得とのバランスが取れるのには数年かかると言われています。例えば、現在価格が下落し始めている地域は価格が上昇し始めて初めて市場の転換点が分かるため、買い時を見極めるために慎重になる人たちが多く出てきます。その為、当分中古物件の売買件数は大きく盛り上がらないでしょう。しかし、売買件数の低迷期は購入には良い時期ともいえます。お気に入りの家が市場に出てくるまでゆっくりと待つことが出来るからです。

住宅ローン金利の動向

4月11日のイランと米国の停戦協議が不調に終わりました。
しかし協議が物別れに終わり、米国のホルムズ逆封鎖の開始のニュースが出たにもかかわらず、トランプ大統領は本日イランとの協議が今後2日以内にパキスタンで行われる可能性があると述べました。また、国際エネルギー機関(IEA)は、原油価格高騰が需要の伸びを抑え、今年の世界石油需要が新型コロナ禍以来、初めて減少するとの見通しを発表しました。これらのニュースが出ると、原油価格がさがり、現在WTIの原油価格が90.46ドルまでさがり、米10年国債の利回りも4.243%へ下がった為、長期金利が下落して住宅ローン金利が下がり始めました。今後の米国とイランの交渉が再開し、建設的な協議が進めば、さらに金利の下がる可能性が出てきます。しかし、停戦までには紆余曲折があるでしょうから、日替わりで変わる金利には要注意です。

【国際ニュース】

米国がホルムズ海峡を逆封鎖

4月13日、トランプ大統領はイランとの停戦協議が不調に終わったのを受けて、ホルムズ海峡を通過する船舶に対する封鎖措置を開始したと発表しました。米国のホルムズ海峡封鎖の目的は、イラン石油輸出を遮断して、イランの資金源を断つことにあります。原油価格の高騰を受けて、イランはその恩恵を受けていました。また、イランの原油輸出の90%は中国向けで決済は人民元で行われているようです。米国のペトロダラーシステムに影響を及ぼす人民元決済を止める目的もありそうです。実際にイランがホルムズ海峡の支配を強めて、貨物船の安全な通行を認める条件として人民元で通航料の受け入れを始めたことで、人民元の需要が増加しています。

ドル基軸通貨の危機

ドルの決済量が減るという事は、ドル需要が減る、米国債需要が減ることに繋がります。米国債の購入量が減少すると、国債利回りが上昇し、長期金利も上昇することになります。国債の利回りが上昇すれば、米国政府の利払いが増えて、さらに財政赤字が拡大し、ひいては、米国経済に大きなダメージを与えることになるわけです。

イラン戦争を始めた理由

トランプ大統領は米国を国民の手に取り戻すと言って大統領選を勝ち抜きました。しかし、このところベネズエラ急襲、イラン戦争開始などこれまで戦争を避けてきたにも拘らず、態度が急変しました。多くの知識人やマスコミはトランプ大統領が豹変した、狂った、イスラエルに脅されて戦争を始めているなどと言っています。本当のところは分かりませんが、実はトランプ大統領はペトロダラー体制による基軸通貨としてのドルを守るためにベネズエラ攻撃や、イラン戦争を始めたのだろうと考えている人たちも少数派ですがいます。ドル基軸体制の弱体化は米国経済の基本である米国債の崩壊を意味します。その為、ペトロダラーのシステムを潰し、国債による国の財政出動という仕組み自体を壊して、国際金融資本が構築してきた中央銀行(国際金融資本が株主で、実質的には国がコントロールできない)による国債市場支配を壊し、自国の経済を国際金融資本の金融支配体制から取り戻すことが目的かもしれません。考えすぎでしょうか?

【今日の豆知識】

米国で人気の食べ物トップ10

1.フレンチフライ
2.グリルドチーズ
3.チーズバーガー
4.ハンバーガー
5.マッシュポテト
6.フライドチキン
7.ステーキとベイクドポテト
8.アップルパイ
9.ステーキとフレンチフライ
10.ハッシュブラウン

(出典:https://yougov.com/en-us/ratings/american-dishes) 

【4月14日の米国住宅ローン金利】

米国在住者用の住宅ローン金利表

Rates are current as of: 4/14/2026
Loan amount subject to county limits.

Loans to: $832,750
30 YEARS FIXED
Rate:6.500Points:0.000
Rate:6.125Points:1.125
15 YEARS FIXED
Rate:6.000Points:0.250
Rate:5.625Points:1.250
5/6 ARM
Rate:6.375Points:0.500
Rate:5.875Points:1.250
Jumbo Financing
30 YEARS FIXED
Rate:6.125Points:0.250
Rate:5.875Points:1.375
15 YEARS FIXED
Rates:6.125Points:0.000
Rates:5.750Points:1.375
7/6 ARM
Rates:5.875Points:0.125
Rates:5.375Points:1.875
Loans to: $1,249,125
30 YEARS FIXED
Rate:6.400Points:0.250
Rate:6.125Points:1.375
15 YEARS FIXED
Rate:6.625Points:0.625
Rate:6.000Points:1.500
5/6 ARM
Rate:6.375Points:2.000
Rate:5.625Points:2.750
FHA Govt. Financing
30 YEARS FIXED
Rate:5.990Points:0.375
Rate:5.750Points:1.125
15 YEARS FIXED
Rates:6.000Points:0.000
Rates:5.375Points:1.250
5/1 ARM
Rates:5.500Points:1.000
Rates:5.375Points:1.500

外国人用ローン金利

※ 2026年4月14日現在の金利

頭金金利
50%以上6.250%
45%6.375%
40%6.500%
35%6.750%
30%6.999%

【ローン条件】

  • 3年の Prepayment Penalty
  • 固定資産税・火災保険はローンと一緒に支払う
  • 30年固定型・5年固定型・7年固定型の3つから選択(金利は同じ)
  • 投資物件用のプログラム(DSCR)

Remark:このプログラムは米国在住者も使えます。

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イターのご紹介

Yoshi Maekawa

Yoshi Maekawa

< 前川 嘉章⽒ の プロフィール >

1960年 兵庫県姫路市⽣まれ
1984年 同志社⼤学経済学部卒業
その後、近鉄航空貨物⼊社。1987年海外研修⽣としてLos Angeles航空⽀店に赴任、1992年に正式な駐在員としてSan Francisco 航空輸⼊⽀店に赴任。

1994年Los Angeles Ocean Export⽀店に⽀店⻑として移動。2001年帰国命令が出たのを機に退社。2002年カリフォルニア不動産取り扱い免許を取得して⽇系不動産会社にてローンコンサルタント業を始める。 1年後⽶系の不動産ローン専⾨銀⾏に転職。住居⽤、投資⽤不動産ローンのサービスを主に在⽶⽇本⼈の⽅に提供する。同時に、⽇系の不動産管理会社にてアパートなどの投資、管理業務の補佐を⾏う。

2008年所属する⽶系不動産ローン専⾨銀⾏がリーマンショックのあおりで倒産。いくつかの⼩規模な銀⾏を経て2010年からNew American Funding所属のローンコンサルタントとして現在に⾄る。
家族は妻と⻑男、⻑⼥の4⼈。妻以外は剣道有段者の剣道⼀家。
趣味は剣道と読書。住居はオレンジ郡のSeal Beach.