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      ホーム 海外不動産投資・購入 手探り状態の米国経済

      手探り状態の米国経済

      2025年10月31日

      目次
      1. 【経済の動き】 雇用の弱さは継続中 
        • 予想外に低かった消費者物価指数
        • 米国債の利回り
      2. 【不動産・住宅ローン金利動向】 住宅ローン金利は引き続き下落
        • 住宅購入より賃貸が有利
        • 地域別傾向
        • 住宅価格の上昇の理由
      3. 【国際ニュース】
        • ウクライナ戦争はどうなるのか?
      4. 【米国不動産豆知識】 
        • 米国でホームレスの人数が多い都市 Top 5

      【経済の動き】 雇用の弱さは継続中 

      10月18日までの失業保険申請件数は前週と比べて約1万2千件増加しています。雇用の伸びが鈍化している中、一度職を失うと再就職が難しい状況が続いています。大きな景気後退は起こっていませんが、中小企業は厳しい状況です。カリフォルニア州のワイン製造業者が規模を縮小したり、ビジネスを止めたりしています。

      また、自動車ローンの支払い滞納が増えており、自動車の差し押さえが急増しています。これと関連して、中古自動車購入のためのローンを提供する会社が倒産したことは、ローン支払い滞納の増加が原因だと考えて間違いないでしょう。

      米国で自動車がなくなると、職場へ出勤できなくなったり、子どもを学校に送り迎えできなくなったりと、大きな影響が出るでしょう。2025年第1四半期の60日以上の延滞率は全体で1.38%に達し、リーマンショックが起こった2009年のピークである1.33%を上回っています。また、クレジットの履歴が悪い人向けのサブプライムローンの延滞率は過去最高の6.6%に達しています。

      予想外に低かった消費者物価指数

      9月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びにとどまったことが分かりました。予算案の承認が取れずに政府機関が閉鎖されているため、10月15日に発表される予定だった消費者物価指数が24日に発表されました。結果は予想を下回るもので、追加利下げに弾みがつきそうです。10月・12月の利下げ確率も上昇しています。

      この結果を受けて、米国の主要株であるダウ工業株、S&P500、ナスダックの株価指数は上昇しています。通常、利下げの確率が上がると米国債の利回りが下がりドル安になるのですが、今回は大きな変動はありませんでした。

      閉鎖中の米労働統計局(BLS)の職員が緊急招集されて統計を発表したためか、その内容が市場予想と一致しないサプライズであったためなのか、理由は定かではありませんが、市場の反応は意外に鈍かったです。

      思ったよりインフレ率が上昇しておらず、これは良いことなのですが、いまだに市場関係者の間では関税問題の影響でインフレ率が上がるはずだとの考え方が支配的です。労働統計局が閉鎖中で、来月の消費者物価指数の発表にも影響が出るようで、雇用統計など重要な政策決定に使われるデータが出てこないため、しばらくは手探り状態が続くでしょう。

      米国債の利回り

      米10年国債の利回りが4%を切ってきました。現在、利回りは3.997%となっています。10年国債の利回りは長期金利に連動していますので、住宅ローン金利が下落傾向であることを意味しています。2025年に入ってじりじりと下がり続けています。

      また、近々FRBは国債の保有量を減らし続けるQT(Quantitative Tightening=量的引き締め)を止めることになると見込まれています。国債は購入されれば値上がりし金利が下がり、売られると値下がりし金利が上がります。FRBが国債の保有を減らしていたことから、国債が売られるのと同様の影響がありましたが、それが止まりますので金利の下落が見込めます。

      また、FRBは10月と12月に利下げをすると見込まれます。この影響で短期金利が下がります。FRBの利下げによりプライムレートも下がりますので、自動車ローン、クレジットカードローン金利などプライムレートに連動するローン金利が下がります。同時に、預金金利も下がります。

      【不動産・住宅ローン金利動向】 住宅ローン金利は引き続き下落

      【経済の動き】で述べましたように、長期金利の指標となる米10年国債の利回りが下落を続けています。一つのハードルである4%を切ったことから、さらに下げていく傾向がはっきりとしてきました。

      米国政府・財務省は不動産市場の低迷が引き金となって景気後退に陥るリスクがあることを認識しているため、できるだけ速やかに金利を下げて、中低所得層でも不動産が無理なく購入できるようにするために様々な手を打っています。引き続きこの動きが続き、ローン金利はじわじわと下がっていくでしょう。

      住宅購入より賃貸が有利

      最新の調査によると、2021年から2025年の間に全米50大都市圏のうち39都市で、住宅購入より賃貸の方が毎月の出費が安くなっています。サンフランシスコやサンノゼといった都市では、購入した場合の毎月の支払額が賃貸のほぼ2倍になっています。

      サンフランシスコでは、平均的な住宅ローンの支払額が2021年の約4,400ドルから2025年には約8,900ドルへと急騰しました。家賃はわずかに上昇したため、格差は拡大しました。

      デンバー、シアトル、ダラス、ソルトレイクシティでも同様の動きが見られました。現状では賃貸の方が家の購入よりも出費が大幅に低いため、自宅の購入需要が減退しています。投資家や外国人、頭金を多く出せる、あるいは収入が高い富裕層しか無理なく家の購入ができませんので、不動産市場での売買は縮小しています。

      金利がコロナ期のように3%台になることは考えにくく、実際、FRBの政策金利や10年国債の利回りが1%台にならない限りそうはならないでしょう。また、物件価格が50%ほど値下がりすれば不動産市場が盛り上がってくるでしょう。

      このような状況になる可能性はあります。米国の大きな景気後退です。それが起これば不動産市場も活気を取り戻すでしょう。逆に、不動産市場の停滞が景気後退の一つの原因となり得るとも言えます。

      このように見てくると、物件価格の下落は恐らく避けられないでしょう。この現状を認識している投資家は物件を買いたたきます。売主は値段が下がる前に売り急ぎます。そうすれば物件価格が下がります。このスパイラルに今入りかけているところだと考えて間違いないでしょう。

      地域別傾向

      住宅価格は米国でも地域差が大きく、西海岸の都市は依然として最も住宅価格が高く、サンノゼでは住宅価格が中間所得の12倍を超え、記録を更新しました。その他の高価格都市圏には、ロサンゼルス(10.8倍)、サンフランシスコ(10.5倍)、ホノルル(10.3倍)などがあります。

      東海岸ではマイアミ(8.0倍)、ニューヨーク(7.3倍)、ボストン(6.6倍)も住宅価格の高騰に直面しています。対照的に、住宅価格が中央値所得の4倍未満の都市圏は減少傾向にあります。主要都市圏のうち、住宅価格が中央値所得の4倍未満の都市はわずか4分の1にとどまり、わずか5年前には半数以上が該当していました。比率が3.0を下回ったのはわずか3市場(トレド、アクロン、マカレン)で、2019年の20から減少しました。

      住宅価格の上昇の理由

      どうしてこれほど住宅価格が上昇したかというと、インフレ率が急激に上がったからです。その原因は、コロナ禍による政府の補助金のばらまき、環境規制によるガソリン価格の高騰、ウクライナ戦争など紛争地域への政府の援助金の増大、不法移民の大量流入によるコスト増などです。

      政府が財政出動を急激に増やした結果、市場にお金が溢れてインフレになってしまいました。そのインフレを収めるためにFRBが金利を急激に上げたため、住宅価格の上昇とローン金利の上昇が同時に起きてしまったわけです。

      住宅価格の高騰と住宅ローン金利の上昇が住宅購入への意欲を削ぎ、賃貸で我慢する世帯が増えたため、賃貸物件の不足から賃貸物件の供給が増えていきました。賃貸需要を満たすためには日本のように新築物件供給だけではなく、中古の一戸建て住宅も必要となっています。

      日本より子どもの人数が比較的多い米国では、アパートではなく大きな庭付きの住宅需要もあります。そのため、投資家による賃貸用物件の購入が増えているのです。

      【国際ニュース】

      ウクライナ戦争はどうなるのか?

      トランプ大統領とプーチン大統領が8月15日にアラスカで直接会談を行った後、「これでウクライナ戦争が終わるのか」と期待されました。しかし、英国を中心とするドイツ、フランス、ポーランドなどEU諸国がウクライナ支援を継続し、戦闘が激化しています。

      ドローンなどによるウクライナのロシア本土攻撃も増え、ロシアの世論が「ウクライナを叩いて降伏させるべきだ」という方向に過激化しています。これまでプーチンはじわじわとウクライナを締め付けて降伏させることを目指していましたが、ここにきて、トランプ大統領の仲裁でもEU諸国はウクライナ支援を止めず、ゼレンスキー大統領も領土の割譲による終戦を認めないことから、いよいよウクライナの首都キエフを陥落させることしか現状を打破できないと考えるようになっているようです。

      2度目のトランプ・プーチン会談がハンガリーで開催される予定でしたが中止となったことから、平和裏に終戦をさせることができる状況ではなくなったと推測されます。

      これまで、ウクライナの首都キエフを攻めず、超音速ミサイルを多用せず、激しい首都空爆も行っていなかったロシアですが、ロシア国内の被害の増大から国民の世論も変わり、一気に戦争を終わらせる方向に向かい始めたようです。プーチン大統領も話し合いでの終戦を諦め始めているとの情報が入っています。

      それは最悪のシナリオですが、イギリスを中心としたグローバリストたちの意図するところはロシアとの本格的な戦争です。ロシアを世界の悪者に仕立て上げ、孤立させて米国にロシアへの制裁、あるいはロシアへの宣戦布告をさせる作戦なのでしょう。

      私にはどう考えても、死者を最小限にして国を保全する話し合いでの終戦が国民や世界のためには良いと思うのですが、ロシアを敵視し、ロシアの勢力を弱めて利権を奪いたい勢力がヨーロッパには多いようで、終戦に持っていこうとはしていません。

      今は大戦争になるか、平和が戻ってくるかの瀬戸際になっています。ウクライナ国民はどう思っているのでしょうか?原爆を落とされてからでないと終戦できなかった日本と同じようなことにならないことを祈ります。

      【米国不動産豆知識】 

      米国でホームレスの人数が多い都市 Top 5

      1. New York, NY
      2. Los Angeles, CA
      3. Chicago, IL
      4. Seattle, WA
      5. San Diego, CA

      ※Top 5はいずれも民主党が優勢な街です。

      出典:NewsBreak

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      Yoshi Maekawa

      Yoshi Maekawa

      < 前川 嘉章⽒ の プロフィール >

      1960年 兵庫県姫路市⽣まれ
      1984年 同志社⼤学経済学部卒業
      その後、近鉄航空貨物⼊社。1987年海外研修⽣としてLos Angeles航空⽀店に赴任、1992年に正式な駐在員としてSan Francisco 航空輸⼊⽀店に赴任。

      1994年Los Angeles Ocean Export⽀店に⽀店⻑として移動。2001年帰国命令が出たのを機に退社。2002年カリフォルニア不動産取り扱い免許を取得して⽇系不動産会社にてローンコンサルタント業を始める。 1年後⽶系の不動産ローン専⾨銀⾏に転職。住居⽤、投資⽤不動産ローンのサービスを主に在⽶⽇本⼈の⽅に提供する。同時に、⽇系の不動産管理会社にてアパートなどの投資、管理業務の補佐を⾏う。

      2008年所属する⽶系不動産ローン専⾨銀⾏がリーマンショックのあおりで倒産。いくつかの⼩規模な銀⾏を経て2010年からNew American Funding所属のローンコンサルタントとして現在に⾄る。
      家族は妻と⻑男、⻑⼥の4⼈。妻以外は剣道有段者の剣道⼀家。
      趣味は剣道と読書。住居はオレンジ郡のSeal Beach.

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